禅と茶の集い

40年以上続くお茶と坐禅の市民サークルです。

太田資料室

坐禅のすすめ 第2章 『坐禅の実習』 第2節 坐禅の仕方 p34~45 太田東吾

これから坐禅の組み方並びに数息観の実際について述べる。 1.一般的な注意 (1) 坐る場所 『坐禅儀』には【閑静の所に於いて】とあり,初心者では屋内で,なるべく静かな所がよい。 また明るさについては,あまり明るすぎても心が散りやすく,やや暗いかと…

坐禅のすすめ 第2章 『坐禅の実習』 第1節 坐禅の意義 p26~34 太田東吾

坐禅の組み方と数息観に入る前に,坐禅の数息観の意義について少し述べたい。 1.坐禅の目的 坐禅を始めたいと思った動機や理由は,人によって種々異なっている。 例えば不眠症やノイローゼを直したい,不安を取り除きたい,物事を的確に処理する力を得たい…

ワークショップ図表資料

補遺2・・・隻手の方の坐禅(3)

*ここで前述の第三の方法で述べました「右掌で水を掬うという感覚」の意味を、少し調べてみたいと思います。(ここと次の*では、坐禅の姿勢から離れて、手だけの形に繋意して貰ってもよろしいです) 実は、このような形で右掌に繋意することは通常の坐禅の…

補遺2・・・隻手の方の坐禅(2)

*七合目から十合目とその別峰までの工夫としては、前述の二つの方法に加えて後述の第三の方法があります。 第一の方法の場合 七合目から九合目までは、適応しません。 十合目に近い技法として、右第一指の赤丸と右第二指の橈骨側の爪の角が接した部位に意識…

補遺2・・・隻手の方の坐禅(1)

*51年前、私は医学部の教養時代の時に坐禅を始めました。その時、お一人だけ隻手の先輩にお会いしています。中央大学を卒業された少壮の学者で、既に『兜率三関』の第一関を透過され、耕雲庵老大師より黒絡子を授与されていらっしゃいました。 当時は私自…

補遺1・・・椅子による調息

*古来から調息の実習では、②の「数息」「随息」「止」の定義にもありますように、結跏趺坐又は半跏趺坐という坐法を前提にしています。ですから椅子による調息の指導書はないというのが実情です。 そこで参考までに私なりの考えを記しておきます。 *椅子に…

「調息山」登頂のためのエピローグ(11)

現代社会において、「慎独」の方々の役割はいろいろあるかと思いますが、少なくとも次の二つが挙げられるでしょう。 第一は、中核自己に基づく「自己肯定力」の育成です。 人が生きていくためには、「いきがい」とか「自己充実感」はとても重要なものです。 …

「調息山」登頂のためのエピローグ(10)

一例を挙げてみましょう。以前「新幹線の中で泣きわめいていた乳児の母親に対して、怒った乗客がいた」と新聞紙上で話題になったことがありました。 新幹線の中という閉じ込められた空間の中で、乳児の泣きわめく声が長時間聞こえてくる状況は、近くにいる人…

「調息山」登頂のためのエピローグ(9)

*少し前の処で、「何かの祟り」とか「原罪」とするのは、大脳辺縁系が生み出す幻影(大脳辺縁系が有している機能に捉われている)にすぎないというのが禅の立場です、と申しました。 ここで、大脳辺縁系が有している機能がまるでヒトの脳の全機能であるかの…

「調息山」登頂のためのエピローグ(8)

*既述で修行者の「坐禅のレベルが神光居士の坐禅のレベルに達していない」というふうに述べ、全てが修行者側の責任であるかのような印象を与えたかもしれません。しかしこの問題の裏にはこの公案の解答を求める師家(しけ、禅で修行者を指導できる資格のあ…

「調息山」登頂のためのエピローグ(7)

次に「調息山」登頂のためのエピローグ(5)で述べた第二の問題に触れます。 これは、生活が行なわれる「場」に絡む問題です。生活が営まれる場が、「僧伽」(我々一般社会人 勤労者・主婦・学生・年金生活者の場合は「接心会」)での生活なのか、一般社会での…

「調息山」登頂のためのエピローグ(6)

一方禅修行の後期(奥ノ院への道、次稿では「祖師禅」あるいは「磨甎の道」のレベルと定義されます)での、「正念不断相続」は少しく様相が異なりますが、この点については次稿等で説明します。 以上述べましたように、1自伝的自己を棚上げするために中核自…

「調息山」登頂のためのエピローグ(5)

*従来の禅では、坐禅上での「断」の機能の体得と日常生活上での「断じて行う」ことの関係を単なる応用としか見ていなくて、この二者の間に次のような二つの問題が存在していることに無頓着というか気付いていなかったようです。 問題の第一は、坐禅上での「…

「調息山」登頂のためのエピローグ(4)

*2015年の年末に、道友から薦められて、鈴木俊隆師(曹洞宗の僧。1959年から米国で禅の指導をされる。1971年逝去)の『禅マインド ビギナーズ・マインド』(株式会社サンガ刊)を読みました。 この書の40頁に「両手は、「宇宙の印(コズミッ…

「調息山」登頂のためのエピローグ(3)

*私が所属する「人間禅」における公案禅の階梯では、「心不可得」を会得するために、『兜率三関』の第一関「撥草参玄は、只 見性を図る。即今 上人の性 何れの処にか在る?」という公案が与えられます。これに対して、修行者の呈する見解(けんげ)が、その…

「調息山」登頂のためのエピローグ(2)

*坐禅だけでこの境地に至れるのか?と疑問をもたれるかもしれません。然し白隠禅師の『坐禅和讃』には、「一坐の功を成す人も、積みし無量の罪ほろぶ」と明確に、このことが述べられています。ここでいう「一坐の功」とは、たとえ一炷香であっても否たとえ…

「調息山」登頂のためのエピローグ(1)

*長い人生の間に、人は種々な苦しみを味わいます。そしてその苦しみの原因を往々にして「何かの祟り」とか「原罪」のせいにしてしまうことがあります。 しかし『脳科学の成果より』で述べましたように、「何かの祟り」とか「原罪」とするのは、大脳辺縁系が…

調息山十合目 別峰 ・・・薄紙一枚の坐禅・・・只管打坐2

○呼気・吸気共に、「赤丸」の尺骨側の隙間を流れる微かな風の感覚に繋意 *十合目の只々赤丸の位置から、互いの赤丸を少し離して(おおよそ3〜6mm位)、互いの赤丸が引き合っていることと空気の層を感じてください。しばらくしてから、互いの赤丸を軽く接…

調息山十合目 ついに頂上へ・・・「止」の体得・・・只管打坐 1

○呼気・吸気共に、只々「赤丸」に繋意 *赤丸への繋意のためには、この部位の温かさ・拍動・シビレ・時には痛みを感じて、それを保持してください。 *九合目の時の場合より、両親指がより臍下丹田(気海)に近づきます。親指の橈骨側が腹部に接しても構いま…

調息山九合目 いざ頂上へ 3・・・頂上を間近に見ながら、九合目の尾根で小休止

○呼気・吸気共に、「赤丸」と両赤丸から両親指の末節骨の中間部(尺骨側)にかけての空気の流れ(風)に繋意 *八合目から九合目に進む時には、八合目の時の両労宮の緊張感の余韻を除くため、軽く両親指を離して緊張感を一旦取ってください。 *赤丸の接点が…

調息山八合目 いざ頂上へ 2・・・満月に照らされた湖面の畔で坐禅

○呼気・吸気共に、「赤丸」と両親指の付け根から両「労宮」にかけての緊張感に繋意 *前の技法とは異なって、手指が接し、通常の法界定印になります。 両手の親指から労宮にかけての緊張感に繋意します。両手で満月を受け止めているような感じで坐ります。赤…

調息山七合目 いざ頂上へ 1・・・頂上を見ながら、すすきヶ原を行く・・・白く立ち枯れた木々のある沼地を通る(白骨の坐禅を味わう)

○呼気・吸気共に、「赤丸」と両手小指の重なった部位の感覚に繋意 *これ以降は、「法界定印」内での繋意になります。 *両手の小指の重なりは、他の指(第2・3・4指)の重なりが接触している処から少し離れ、第4指の重なりとの間に隙間が生じます。この…

INTERMISSION

○呼気・吸気共に、尾骨と両膝頭とによる三角形に感じる圧迫感(鉢巻効果)と「赤丸」とに繋意しようとするが、眠気が生じてくる *⑬で触れましたように、結跏趺坐のほうが、半跏趺坐よりバランスが取れて、程よい刺激となり何故か眠りが誘発されます。 *尖…

調息山六合目 見晴台で大休止・・・洗心を味わう・・・重畳法 6、7、8、9、10、そして(息の呼吸)・・・随息の後期 4

○呼気・吸気共に、「赤丸」と上になった足のアキレス腱又は脹脛(ふくらはぎ)で身体の中心線上にくる部位とに繋意 *半跏趺坐でも結跏趺坐でも可能です。 *舌の位置は、「ル」又は「ツ」に近くなります。 *半跏趺坐の方は、次の3つは左右の足心及び失眠…

調息山六合目 重畳法 4、5・・・随息の後期 3

○呼気・吸気共に、「赤丸」と両膝頭を結んだ線とに繋意 ○呼気・吸気共に、「赤丸」と両脛を結んだ線とに繋意 *両膝頭(両脛)の感覚を体得するのには、その部位に保冷剤を当てると冷気を通じて感じ易くなります。保冷剤を当てる方法は、以下の重畳法7,8…

調息山五合目 道から少し離れ、木陰で小休止・・・重畳法 3      ・・・随息の後期 2

〇呼気・吸気共に、「水溝」と「赤丸」とに繋意 *呼気・吸気共に、水溝における両鼻孔からの風の出入の感覚と赤丸との感覚に繋意します。二つの部位の感覚に強弱があっても気にしないでください。 *両鼻孔からの空気の流れは、6℃以下の処では冷気を通じて…

調息山五合目 重畳法 1,2・・・随息の後期 1

○呼気・吸気共に、両「雲門」を結んだ線と「赤丸」とに繋意 *これから先は、単純な言葉をも利用せずに、体性感覚だけで連想活動を遮断します。 *この重畳法1は、「アー・ウーン法」を少し変えたものです。 呼気・吸気共に、両雲門を結んだ線の感覚と赤丸…

調息山四合目 内言語法 2,3・・・「アー・ウーン法」、「オー・ンー法」

○手は法界定印。吸気は「アー」で両「雲門」に、呼気は「ウーン」で「赤丸」に繋意 *吸気の時、舞台の緞帳が上がるような感じで、「アー」で両雲門に繋意します。坐禅の時の、胸郭の広がり方の基本をここで体得します。(⑧に示した組手による胸郭の感じとの…

調息山三合目 内言語法 1・・・「ナー・ムー法」

○手は法界定印。吸気は「ナー」で「命門」に、呼気は「ムー」で「赤丸」に繋意 *これ以降、手は法界定印です。法界定印で繋意の場所を定めるのは難易度が高いので、そのために赤丸が工夫されたのです。 *上半身の前傾姿勢から、徐々に腰を起こしながら、「…