禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

禅修行の階梯を考える(5)「禅と茶の集い」便り(180)

冬至、、一年で一番昼間の短い日に今年の「禅と茶の集い」最終日を迎えました。

第4週ですので坐禅一柱香のあとに太田先生のワークショップです。
本日は体験学習主体に印契を用いた歩行による修練から始まりました。
ハイヒールを履いたつもりでの踵上げての歩行や、踵を踏み下ろしての歩行、両手で風を感じながらの歩行など実際に体験しながら、体から何を感じるのか精神状態はどうかといった質問がばしばしときます。
ちょっとだけご紹介するとハイヒール歩きでは「生活感からの離脱」というのがキーワードでした。

つづいて聴覚の修練と続きます。
先生ご持参のCDで唱歌からマドンナ、クラッシックまで音を聞きながらそれぞれの聞き方を意識します。
普通は自然音にしろ音楽にしろ耳(鼓膜)で聞くものと思ってますが、ディスコティックな音楽は鼓膜でなく外耳道の皮膚で聴け!って言うのです。
ベートーベンのThe triple Conchrto in C Major,OP.56第二楽章 largoなどは目頭で聴くのにふさわしい音だと・・・
A.ボロディン中央アジアの草原にてではメロディラインの裏でなり続ける「キィーーーーーーン」という弦楽器の響きを眼頭で聞くのだそうですが、太田先生の博覧強記ぶりにも驚かされます。

大燈国師の御歌にある「耳に見て 目に聞くならば疑わじ おのずからなる 軒の玉水」を追体験しようと参加者一同も必死でした。
聴覚の実習の際は音に集中するために照明を消すよう太田先生の指示がありましたが、暗くすることで聴覚がより冴えたような不思議な感じは実感できました。
(大変残念ではありますが、眼頭ではまだ音は聞こえませんが・・・)

最後に早めのお年玉と言いながら先生からこれまでの改定箇所も含めた新しいテキストブックが配布されました。
年末年始よく読み込んでおくようにとの言葉も添えられ、これではお年玉でなく宿題だーーー!と一同が思ったというのが今年の締めくくりです。

来年は1月5日18時より釈宗活老師の亀鑑の輪読から「禅と茶の集い」は幕開けです。
どなた様も歓迎ですのでぜひご参加ください。
それでは皆さん、良いお年をお迎えください。(Y)