禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

奥ノ院への道

*十合目の別峰で幸せ感・充足感をしばし味わっています。そのうち別峰の周りの景色を見る余裕が出てきた処で、どうも誰かがこの先を通ったかのような跡が微かにあるのが見えます。
訝りながら少し行ってみると、足元の古ぼけた石の道標に「奥ノ院への道」と彫ってあるのが微かに読めます。
もう少し行ってみると先ほどのよりはるかに大きな古ぼけた石碑に、なにか彫ってありますがよく見えません。そこでもう少し進むと道の真ん中に通せんぼをするかのように、先ほどの大きな方と同じくらいの比較的新しい石碑があります。
その石碑の表には大きな文字で「資格の無い者は通れない」と彫ってあります。

もう少し情報がないかと裏に回ってみますと、「奥ノ院への道」とあり、その下に「第一 慎独の道・・・如来禅の奥義の坐禅・・・「よくととのえし おのれ」を体得し、且つイメージと言葉を操る力を有した者に限る」とあり、更に「第二 磨甎の道・・・祖師禅の奥義の坐禅・・・「識羞」を味わえる者又は権道を行じ得る者又は「舞台装置」を体得した者、に限る」とあります。
    
*漸く十合目とその別峰に辿りついたのに、まだこの先があるのかと、坐禅ということの奥の深さに、半ばあきれ、半ば驚嘆してしまいます。
     
ことに石碑に彫られた文字の意味がまるでチンプンカンプンなので、改めて坐禅の用語を学び(見地を広め)、異時他日資格を備えた時(境涯を高めた時)に再度奥ノ院への道を踏破することを、胸に誓って山を下りることにしました。