禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

「奈良、時の雫」ってご存知ですか?

私Yがこれまで一番繰返し見たお気に入りドラマとして「鹿男あおによし」という奈良を舞台にした面白いドラマがあります。

万城目学さんの原作も、相沢友子さんの脚本も大好きなのですが、当時話題となったのが奈良の映像とBGMの素晴らしさです。

こちらも是非お勧めなのですが、今回ご紹介するのは映像詩人 保山耕一さんの「奈良の時の雫」という動画集です。

この映像を知るきっかけは先月に放映されたNHK『こころの時代』でした。
その紹介文を引用させていただきますと・・・

末期がんを抱えながら、毎日、奈良の自然や寺社仏閣を撮影している。その日に撮った映像はすぐさま編集してSNSで発表。「奈良の365日の季節のうつろいを写した作品」は「涙が出る」「神様の気配がする」と静かな反響を呼んでいる。自らの死と向き合いながら、奈良の風景を写し続ける保山さんにレンズの先に見つめる世界について伺う。」
 

その映像はわずか数分、長いものでも10分弱なのですが「色」「水」が素晴らしく表現されており静止画では表現しきれない、時間というものも感じながら何とも言えない神々しさに包まれた「詩」のような奇跡の映像です。


 


まずは2019.2.28に登録された「雨の平城宮跡」をご覧になっていただくとわかりやすいでしょうか?

葉っぱの上や、梅のつぼみの先の雫に映る映像は、極小の粒の中に大きな世界が取り込まれて渾然一体となっており「雨とふり、地表を潤し、草木をはぐくみ、そして水蒸気となって蒸発し、雲になり、そしてまた雨」という水の循環が4分足らずの映像に凝縮されてます。
「一即一切、一切即一東大寺華厳経の世界そのものですね。

余命宣告を受け、こころも体もぎりぎりの状態で見つめづづけた奈良、カメラやレンズを通して神仏を確信される方もいらっしゃるのだなぁと改めて気づかされました。

千葉も今日は朝から雨です。昨夜遅くに伯父の訃報が届きました。
今週末に通夜と告別式に参加しお別れをしてきたいと思います。(Y)