禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

第41回 禅体験会第二講「禅とこころ」⑤

昨年の6月に開催された禅体験会の第二講の「禅とこころ」を4分割して恥ずかしげもなくお届けしましたが,恥の上塗りといいますか,発表原稿にはない質疑応答や最後のご挨拶も書き起こしてみましたのでご笑覧ください。

<講義終了後> 今までのところでご質問ありますか?  

Eさん:お勧めの図書と言うのは?どなたも知らない方ばかりなんですが,,,

当日に配布された資料 <おすすめ図書>

細川晋輔  人生に信念はいらない

川野泰周 「あるある」で学ぶ 余裕がないときの心の整え方

宇野全智  禅と生きる

Ym:この3冊は実はそれぞれの和尚さんが書かれた初めての本ですのでまだ知らない方が多いのも無理ないと思います。

どれも読みやすい本ですし,新書が多くて価格も安い。(笑)

でもまず最初の1冊としてはこの「坐禅のすすめ」がやはりいいと思います。

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この本はこの「禅と茶の集い」ができる発端となった昭和53年に半年間週一で開催された市民向けに坐禅講座の集大成として,7人の講師の発表を書き起こして本としてまとめられた物ですからまさしくこの会の宝物であります。

 

これを読んでまだ余力があるよという方むけに3冊の本をご推薦しました。

(中略)何がいいのかと言うといかがですかね?Ouさん読まれたご感想はいかがですか?

 

Ou:「人生に信念はいらない」は全部読んだ記憶はあるんですが,,(笑)

細川晋輔さんは松原泰道さんのお孫さんで,この本は比較的読みやすくて,その中でも雲水日記というのが面白くて,皆さんにもぜひ読んだ方がいいとお勧めします。

 

Ym:ご紹介ありがとうございます。みなさん,松原泰道さんって知ってますか?

松原泰道さんって1970年代に「般若心経入門」という本が大ベストセラーとなったので非常に有名な方なんですが,「南無の会」を主催されたりして,それこそ臨済宗のお坊さんなんですが宗派を超えて仏教の布教に全国を講演して歩いた大変えらいお坊様でいらっしゃいます。

 

ですがどこかの管長とかに就くわけではなく,より多くの一般市民に仏教の心を伝えようと「生涯現役」を実践された方で,100才過ぎても講演活動されて,最後は3日間だけ入院され101才で亡くなりになられたそうです。

 

細川さんはその方のお孫さんですけど,お名前だけ聞くと落語家みたいですよね。

でも和尚さんらしくないのもまたこの方らしいなと思いました。

私が初めて細川さんにお会いしたのは円覚寺の禅をならう集い(24)で坐禅指導をされているお姿を拝見したのですが,短い時間ながら非常に素朴な感じのする指導で,その人柄が本にも表れているなぁと思いました。

臨済宗では禅問答のような「公案修行」というのがあるんですが,公案1000則を細川さんは修行時代の9年間で2周したという記述があるほど,熱心に修行された方です。

 


【お寺で対談】野沢龍雲寺 細川さん / 其の一 | 臨済宗円覚寺派管長 横田南嶺老師

 

その他,質問ありますか?

じゃぁないようなので,,,今日は宗教としての禅を主題にお話してきましたが呼吸法や健康法として始められても結構です。

また弓道,剣道,茶道,華道など日本文化の下地となっている禅に触れていただくのも良い機会となると思います。

 

ここの会はそういう意味でも「禅」と「茶」という二本柱であって,来週は栗田さんがお茶のお話もしてくださいますが,生活の中に禅を落とし込んでいったとき茶道と言う形が見えてくる・・・一服のお茶をただ飲むというだけにあれだけの時間をかけて丁寧にお出しして,それを丁寧に味わうという,生活スタイルにもつながるものだと思います。

 

昨年,樹木希林さんの遺作として「日日是好日」という映画が話題になりましたがあの作品の中にもよくそれが現われていると思いますけど禅と言うのは坐禅だけが禅ではなくって日常生活すべてに拡がり,生き方にも繋がると先輩方を見ていて感じる今日この頃です。(了)