禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

白田貴郎

坐禅のすすめ『おわりに』p140~34 白田貴郎

これまで禅について,いろいろの角度から述べてきたが,最後に人間形成と禅について1.正しく,2.楽しく,3.仲よくという三つの観点から話をしてみたい。 1.正しく 人間の一生は,道というものに根ざす願というものを堅持して,それを正しく転じ,後世にも…

坐禅のすすめ 第3章『禅と生活』 第2節 禅と家庭生活(Ⅰ) p98~105 白田貴郎

1.家庭の重み 人間はどんなときでも,ただ一人で生きてゆくことはできない。 必ず多くの人達と協力しあい共同の生活を営み,社会を形成して生きなければならない。 動物も,集団を作って共同の生の営みをなすが,人間の社会生活との間には本質的な違いがあ…

坐禅のすすめ 第2章『坐禅の実習』 第8節 悟道の境涯 p82~89 白田貴郎

禅の修行の眼目は、見性(直指人心見性成仏)にあるが、見性というのは、布団上で虚妄の我というものを殺して、自己の本心本性を見るということである。 この本性は、宇宙を一貫する不生不滅の如是法と不二一如なるもので、従って見性の境涯というものは、人…

坐禅のすすめ 第1章 『問題提起』 第2節 科学と宗教 -禅を中心として- p17~35 白田貴郎

1.人生の基本問題について 人間は,誰でも,自分の一生をどのように過ごし,ほんとうに意義あるものたらしめうるかという基本の問題を背負っている。 ところが実際は,日常生活の忙しさの中で,どのように生存競争に打ち勝ち,仕事をうまくやってゆくかとい…

坐禅のすすめ『はじめに』p3~5 白田貴郎

現代人の生活をふり返ってみると,正直にいって,物質の面は豊かで外装はきわめて華やかであり,また知的情報は豊富で,生活やものの考え方も合理的になっているが,かんじんの生活の根底になる心の内実というものが正しい筋目を見失っているといってよい。 …

坐禅のすすめ

大変ご紹介が遅れました。 禅体験教室のテキストともいうべき「禅と茶の集いの宝」である「坐禅のすすめ」をご紹介してこなかったことに今更ながら気付いた次第です。 この本は前書きにありますように千葉市社会教育課主催で昭和53年秋から翌春にかけて講…

禅と歴史形成「禅と茶の集い」便り(189)

三寒四温で気温が乱高下した今週ですが今日も茶室一杯の会員での輪読会からスタートです。 『禅と対話する』の「禅と歴史形成」の章を読みました。 この章は社会学者の野沢教授と、白田老師との議論なのですが、片や社会科学者、片や宗教家の立場からの発言…