禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

両忘庵釈宗活老大師の『亀鑑』

平成30年の最初の輪読テキストは両忘庵釈宗活老大師の『亀鑑』となりました。

短い文章なのでここに掲載します。
 
「両忘庵釈宗活老大師の『亀鑑』

諸大徳此の事智にも属せず、不智のも属せず、仏に在って増さず、凡夫に在って滅せず、八解六通心地に印し、三身四智体中に円かなり。
心外に向かって求むること勿れ。
人身得難く、仏法聞き難し。此の身今生に向かって度せずんば、更に何れの生に向かってか此の身を度せん。
諸大徳参禅を要すや、須らく放下着すべし。箇の何をか放下せん?
箇の四大五蘊を放下し、無量劫来の業識を放下し、自己脚跟下に向かって推し窮め看よ。これ何の道理ぞと。
功夫は須らく頭燃を救うが如く急切なるべし。精神を奮起し、片時も放遅すること莫れ。
無理会の処に向かって究め来たり究め去り、究め究めて止まざれば、即ち心華発明して十方刹を照さん。
謂っべし、これを心に得、これを手に応じ、便ち能く大地を変じて黄金となし、長河を撹いて酥酪となすと。
豈平生を暢快にせざらんや。
只管冊子上に言を念じ、禅を訪ね道を訪ぬること莫れ。禅道は冊子上に在らず。
古徳許多の辛艱を喫して方に此の道を得たり。我豈独り然らざらんや。
宜しく二祖の断臂と雲門の折脚を思うべし。勉旃勉旃」