禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

ピンポン玉を使って 「禅と茶の集い」だより(133)

今日(28日)は、7時からの坐禅で始まりました。
坐禅ワークショップがある日はいつも最初から10人以上で坐ることが多くなりました。 
 
45分の坐禅の後は、太田先生による坐禅のワークショップです。
 
前回はマスクが用意されていましたが、今日太田先生が取り出したのは十数個のピンポン玉でした。
今は卓球のボールというのでしょうか。
 
太田先生は、そのピンポン球を座布団で作った傾斜の上から転がしました。
それぞれがばらばらに転がりました。そしてそのボールにはいろいろな色や模様がついていました。
 
何のたとえかというと、このボールは私たちの人生をを表しているということです。
 
私たちは、最初は白に近い色で生まれてきます。
あらかじめ遺伝子情報が組み込まれているので、透明とは言い切れません。
 
私たちが生きていくと、環境や教育によっていろいろな色がついていきます。
この色のついたボールのことを普通私たちは「自分」だと思っています。
この自分のことを、「自伝的自己」と呼びます。
 
今の世界を見れば分かるように、この色(宗教や信条など)の違いで対立や戦争まで起こります。
 
禅は、それぞれのボールに最初から備わっているものを追求する道です。
ここでは、それを「中核的自己」と呼びます。
 
私たちは色のついたボールで、生きていくにしたがってますますいろいろな色が付き、ある場合は特定の色に染まっていくこともありますが、「中核的自己」は変わらずすべてのボールに備わっていて、それが変わったり増えたり減ったりすることはありません。
 
これはなかなか面白いたとえだと思いました。
 
実際には目にしたほうがわかりやすいのですが、なんとなくイメージがわきましたか。
 
二つの自己は、大海とそこに浮かぶ島に例えられることもありますが、いずれにしてもこの二つの自己があることを理解しうまく補完的に使いこなしていければ、人生をもっと楽に楽しく生きていくことができそうです。
 
さて、せっかくピンポン玉が各自の手元に渡ったのでもう一つの使い方を実践しました。
 
坐禅をするときは、しっかり足を組んで背筋を伸ばすことが大切ですが、そのとき、胸を広げることも大切です。
それを体感するために、脇の下にピンポン球をはさんで手を組んでみました。
 
ある本には、卵をはさんでいるような感覚でとありますが、ピンポン玉くらいがちょうどいいような気がします。
 
生卵を使って試すときにはつぶさないようにしましょう。
 
 
次回のワークショップは、11月25日の予定です。
 
来週11月4日は、午後6時から始まります。
坐禅の時間は、7時45分くらいからです。
途中からの参加もできます。
 
お待ちしています。
 
 義存
 
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