禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

「禅と茶の集い」だより(12) 伝統芸能(能)とお茶と もちろん坐禅(座禅)も

2014年1月31日(金)は、第5週。
一月に5回金曜日があるのは、年1~2回ですが、奇数週なので、お茶係りに工夫してもらい今日は読書会とお茶がありました。
今日の参加は8名でした。 
 
まずは、いつもの通り読書会からです。
齋藤孝著の「こんなに面白かったニッポンの伝統芸能」の続きを輪読しました。 
 
テーマは引き続き「能」です。
今日読んだところで印象深かったところを少し引用します。 
 
  『もともと日本人が大切にしてきたのは、能のように沈黙をベース
  にして、精神的に満たされる感覚だ。
  特に目に見えない力を感じ取ることに充実感を得てきた。
  密度の濃い沈黙に出会って感動し、その一瞬を貴重なものと考える。
  つまり一つの舞台において、一期一会的な感動を味わってきたのであ
  る。
   その意味では、能は茶の湯や禅の精神ともつながる、きわめて特殊な芸
  術とえるだろう。 
   また、能を見ることについては、 これは現代において、きわめて貴重
  な時間になるだろう。
   なぜなら、テレビやインターネットをはじめとして現代はあらゆるもの
  が饒舌でり、 意味にあふれているからだ。
   能の世界には、それがいっさいない。
   しかも単なる静寂ではなく、一人の人間が恐ろしいまでの集中力で沈黙
  をつくり出している。

   そういうものに触れる機会は滅多にないはずだ。』


と書いてあります。
 
著者も、禅を芸術と一緒にするのはどうかと思うと前書きで書いてありますが、
精神的には通じるものがあるのではないかと思います。 
 
次はお茶の時間です。今日は尾山さんのお点前でした。
 
裏千家の茶箱の点前作法は、あまりなじみがなく返って興味深く拝見しました。
小さな箱の中に全ての道具が入っていて持ち運びに便利なように工夫されていました。
これを持って行けば旅の途中でもその地方の水でお茶が楽しめるということでした。
 
 
掛け軸は、南天棒の「雲水托鉢図」。
この軸には禅僧が托鉢に出る様子が描かれていますが、托鉢から帰る絵もあるそうです。 
 

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お菓子は、皇居銘菓の菊最中。 

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花は尾山さんの自宅の庭から持ってきていただいた紅梅です。
もう咲いているのですね。 
 
さて、お茶席での話しですが、能の話をしているとき、会員の砂村さんから、「実は私は10年位前から謡(うたい)を習っている」との発言。
皆知らなかったので一同びっくりでした。
年に3回は発表会があり、皆で能を見に行くこともあるそうです。
 
謡には楽譜のようなものもあるそうですが、基本は先生からの口伝だそうです。
繰り返し繰り返し体で覚えるまで練習するそうで、これはすべてに通じることですね。
  
座禅の姿勢も、マニュアルを見て一人で覚えることはできません。
自己流でやると返って変な癖がついてしまう恐れもあります。
  
この後は、しっかり1炷香(45分位)坐りました。
 
興味を持たれた方は、ぜひとも「禅と茶の集い」へきて、ご自分で座禅を体験してみてください。
このブログをお読みになれば分かると思いますが、座禅以外でもいろいろな話を聞くことができます。 
 
金曜日の夜は、どうぞ千葉中央コミュニティセンターの「禅と茶の集い」へ。 
 
義存 合掌