禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

「禅と茶の集い」だより(13) すり足で心を調える  「こんなに面白かったニッポンの伝統芸能」より

2014年2月7日(金)は、第1週。先週に続いて読書会とお茶があります。
毎週お茶がいただけるのはありがたいです。
今日の参加は10名でした。
 
まずは、いつもの通り読書会からです。
齋藤孝著の「こんなに面白かったニッポンの伝統芸能」の続きを輪読しました。
 
テーマは引き続き「能」です。
今日読んだところで印象深かったところを少し引用します。

私はときどき学生に対し、体育館などで「すり足」で歩くように指導することがある。
東儀秀樹などの邦楽を流し、静かに歩くのである。
すると彼らは、「時間性が広がる」という感想を口々に漏らす。
心がシンと静まり返り、ふだんとは違う空気に入り込んで、
「ものすごく気持ちがいい」とも言う。
 
これはぜひとも実践してみたいですね。
ある本には、剣道、柔道をはじめ、茶道や日本舞踊、相撲に到るまで、和の動作の基本といえるのは「すり足」だと書かれています。
お茶の有楽流はそれほど言わないらしいのですが、流派によっては「すり足」の指導をこまやかにするようです。
 
最後に、
 
見えない力に敏感になることが能を楽しむコツでもあり、
また現代における能の存在意義でもある。
現代では死を裏側に貼りつけたような精神や身体のあり方は、
見ることさえも稀である。ならば、そういう世界を自分から見に行ってみてもいい。
 
とあります。能を見に行きたくなりますね。 
この章を読んで、能の世界観が禅に通じるところがたくさん見えてきたように思います。 
能を見に行く前に、「ぜひとも座禅を味わってから」といってはこじつけになるでしょうか。
どちらにしても「生身」で体験するとか実践してみることが大切だと思います。 
今日で「能」の章は終了。次回からは「俳句」の章です。さて、どんなことが書いてあるでしょうか。 
 
次はお茶の時間です。
今日は森本さんの有楽流のお点前でした。
 

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掛け軸は、釈宗演老師の「直心是道場」です。

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これについては、また来週触れます。
 
お菓子は、小川さんが友人からもらった紫いもを使って作ったいも羊羹(手づくり)です。
 

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花は尾山さんの自宅の庭から持ってきていただいた白梅です。
先週は紅梅でしたから、二週をあわせると紅白ですね。
 

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さて、お茶席での話ですが、最初はすり足について日本のいろいろな文化を比較するような話をしていましたが、途中から今の若者をどうしたら座禅へと導くことができるのかという話になりました。
 
今の若い人は、情報は活字媒体ではなく、ほとんどスマホから見るそうなのでで、
坐禅(座禅)のポスターや新聞への広報だけでは若い人の目に留まることはない。
まあ、そういったことを踏まえてこのHPブログを書いているのですが・・・、
 
それではスマホやパソコンを買えないような家庭では時代についていくことができなくなるのでは?
就職用のエントリーシートも送れないのでは最初から格差がある・・・。
最後はこのまま情報社会が発展すればするほど格差がますます広がる懸念がある、といった社会的な話になってしまいました。
 
このブログを見ている若い方にお伝えしたいのですが、ぜひ若いうちに坐禅を体験してみてください。
できれば、本当の自分自身を見て、人生の基盤を今のうちに作っておいてください。
社会の動きが速ければ速いほどしっかりした自分自身をつかんでおかないと、あやふやなままの人生を送ってしまうことになりかねません。
来たれ、若者よ!
 
この後は、しっかり1炷香(45分位)坐りました。
 
興味を持たれた方は、ぜひとも「禅と茶の集い」へきて、ご自分で坐禅を体験してみてください。
 
金曜日の夜は、どうぞ千葉中央コミュニティセンターの「禅と茶の集い」へ。
もちろんこれから老後をどうするか考えている方も歓迎。女性も大歓迎です。
 
義存 合掌