禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

月を友とする 「禅と茶の集い」だより(90)

ここのところさわやかな秋晴れが続いています。

今日(2015年11月6日)は第1週なので6時から読書会でスタートしました。
先週からの続きで「美しい日本の私」を読みました。
先週は、冒頭の道元禅師の「本来の面目」と題する歌
 
 春は花夏ほととぎす秋は月
  冬雪さえて冷しかりけり    
 
の感想で、話が終わってしまいました。
今日は、川端康成道元禅師の歌と並んでよく揮毫するという明恵上人の
 
雲を出でて我にともなふ冬の月
 風や身にしむ雪や冷たき
 
からです。
 
明恵は、西行を桜の詩人ということがあるのに対して、月の歌人とも呼ばれているそうです。
皆さんは日常を振り返ってみて、最近月をじっくり見たことはありますか。
私は、先日テレビのニュースでスーパームーンが見られるという話を聞いて夜空を見上げましたが、久しぶりのことでした。
月を見たときに改めて思い出したのが、東日本大震災の折の計画停電であたりが真っ暗になったときに外に出て月を見上げたときのことでした。
ああ、月ってこんなに明るいものだったのか、月影がこんなにはっきり見えるものなのかと思いました。
昔、街灯がないときには、月の明かりを頼りに道を歩いたわけですね。
明恵上人の歌の紹介が続きます。
 
山の端にわれも入りなむ月も入れ
 夜な夜なごとにまた友とせむ
 
隈もなく澄める心の輝けば
 我が光とや月思ふらむ
 
これは各自で味わうしかないのでしょうが、本文では、
 
 いはゆる「月を友とする」よりも月に親しく、月を見る我が月になり、我に見られる月が我になり自然に没入、自然と合一しています。
 
と解説しています。
非常に禅的というか禅の世界そのものですね。
 
各自の月に対する感想の話はお茶の時間まで続きました。
今日は、禅カフェと題して、カステラを食べながら紅茶を頂いたので話が盛り上がりました。
うちの娘達にもたまにはスマホではなく、月を友とする時間を持ってもらいたいものです。
 
来週2015年11月13日は、7時から2炷香(45分×2回)の坐禅(座禅、静坐)。
 
再来週の2015年11月20日は、6時から、読書会と坐禅。そのあとは7時半くらいから、太田先生の禅ワークショップがあります。
 
第4週の2015年11月27日は、房総坐禅道場で摂心会があるためにこの会(コミュニティセンターでの「禅と茶の集い」)はお休みとなります。
 
いつもは、第4週の大田先生の禅ワークショップが第3週の20日になっているのでご注意ください。
 
お待ちしています。
 
義存 合掌