禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

(続)月を友とする 「禅と茶の集い」だより(91)

今日(2015年11月13日)は第2週なので7時から2回の坐禅です。

坐禅をする部屋の鍵は10分前にならないと貸してもらえないので、2~3人の人が廊下で待っていました。
今日初めて会に来た青年もいました。
初めてきた人は、いきなり坐禅といってもできるわけがないので、いつも別室で坐禅の仕方を説明します。時計を見ると20分くらいたっていることが普通です。

最近会に来る若い人の日常生活を聞くと、自宅にたたみの部屋がない人が多く、日本坐で坐る機会もほとんどないようです。クッションやソファはあっても、座布団も使っていないようです。
片方の足でも腿の上に上げてといってもそれも難しい人が多くなってきています。ライフスタイルが変わってしまっているのですね。

今日の彼は、できないことを前提にして結跏趺坐の仕方から説明し、実際にやってもらいましたが、何とかできました。ただし、それを続けて坐るのは無理そうだったので半跏趺坐で坐禅をしました。45分の坐禅を良く頑張りました。
 
さて、先週は、明恵上人の歌を紹介しましたが、先週紹介できなかったものを一つ紹介します。
先週も、多くの人がこの歌はいいと感嘆していました。
実は私もこの本で初めてこの歌を知りました。
 
 あかあかやあかあかあかやあかあかや
  あかやあかあかあかあかや月
 
です。
五七五七七で区切って読んでください。
本文で、川端康成も、ただ感動の声をそのままに連ねた歌と紹介しています。
この、「美しい日本の私」は、ノーベル文学賞受賞の記念講演なので英訳もついています。これをどう訳すのかと興味を持ってみてみると、
 
O bright, bright, 
O bright, bright, bright,
O bright, bright, 
Bright, O bright, bright
Bright, O bright moon.
 
とありました。
なーるほど、「あか」と「bright」の数がちゃんと合っていますね。
 
山の端にわれも入りなむ月も入れ
 夜な夜なごとにまた友とせむ
 
隈もなく澄める心の輝けば
 我が光とや月思ふらむ
 
も、英訳されています。
英語に興味のある方は、英訳を読んでみるととても面白いと思います。
五七五の日本語のリズムを他の言語で表現するのはかなり大変なような気がします。
 
来週2015年11月20日は、6時から読書会、その後に坐禅をして、7時30分くらいからは、太田先生による坐禅のワークショップです。
 
第4週の2015年11月27日は、房総坐禅道場で摂心があるために禅と茶の集いはお休みとなりますので、ご注意ください。
 
お待ちしています。
 
義存 合掌