禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

禅修行の階梯を考える(14) 「禅と茶の集い」便り(216)

あっという間に10月も第4週となりました。

私が少し遅れて参加するとすでに大広間では7名くらいに方々が坐禅中です。
足音を忍ばせて到着帳に記名していると太田先生も到着され、茶室の方に連行されます。
私を含め今日の個別面談&指導者は3名となり、おのおのの坐禅の工夫や進捗状況など太田先生からのヒアリングがなされました。

後半の全体ワークショップに入る際にまたまた太田先生ご持参の掛軸を拝見させていただきます。
達磨の画は釈宗活老師、そして賛は釈宗演老師が書かれたもので師弟合作の珍しいお軸だそうです。
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書の方に何が書かれているかが皆の関心でしたがその場ではなかなか判読できずじまいでした。
後日、Tさんから寄せられた情報によると、「一字不著画 八字两丿」と書いてあり、出典は七十六首 子益』だとわかりました。
読み下すと「一の字を書いて、一字を著けず。八の字に二つの拂い無し。」だそうです。

ワークショップは先々月、先月に引き続き衆生縁、縁、法縁、無縁の慈悲の講義から開始となります。

出典について調べてみましたがこの三つの慈悲は、2世紀に生まれたインド仏教 龍樹 『大智度論』にあり、巻40に、「慈悲心に三種あり、衆生縁、法縁、無縁なり。凡夫は衆生縁なり、声聞辟支仏及び菩薩は初は衆生縁、後は法縁なり。諸仏は善く畢竟空を修行するが故に名づけて無縁となすと云える其の説なり。」という文章に行き当たりました。
慈悲を三つにわけて、そして太田先生お得意のビジュアル教材を用いての修行階梯のイメージ作りをして核心を伝えてやろうという思いに満ち溢れたもので、どんどん書き込みが増えて毎回のようにバージョンアップされていっております。

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質疑応答に時間がとられたため、先週告知のあった発声実習はかけあしとなり、時間が足りず宿題まで出てしまいましたが、皆で声を出し合い、感想を述べ合うなど初めての体験でとても新鮮でした。

次回の禅と茶の集いは11/2 第1週なので輪読会、呈茶、坐禅のプログラムで午後6時より開始となります。輪読はたぶん「禅と対話する」の最終回となる予定です。
(次のテキストは「ブッタは、なぜ子を捨てたか 」と決まりました)

それでは、来週金曜!初心者、未経験者、どなた様も大歓迎です。
皆様のご参加を心よりお待ちしております。(Y)