禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

ラーフラの視点「禅と茶の集い」便り(233)

31年3月15日
記録者・栗田和夫
1.はじめに

 今日は、いつもとは違った日程でした。
 いつもの会議(親子三代夏祭り委員会)は無く、ある市の都市計画審議会があり出席して来ました。
 千葉市もそうですが、他の市でも「都市計画マスタープラン」の見直しの時期に来ており、そのため私の専門でもありますが、学識経験委員・会長代理として出席してきました。このマスタープランは20年後のまちづくりを目指すものであり、市民にとってはとても大切な長期計画なのですが、残念なことに市民の関心は薄くなんとなく決まってしまうというのが現状のようです。
 さてそんなことで本日は変則的なお茶の準備となりました。
 
2.読書の時間

 前回に引き続いて「ブッダは、なぜ子を捨てたか」の輪読を行いました。
 今回のキーワードは、ブッダの子「ラ―フラ(悪魔)」からみた、思いが語られている点についてです。釈迦の教えについての話題については、事欠かないのではないでしょうか。しかしこれまで、その子ラ―フラの視点にたったブッダへの思いについては初めてではないかと思われます。
昨今、親の子に対する「虐待」が大きな問題となっていることは御承知の通りです。
ラ―フラにとっても、ひどい父親のイメージ、悲しい思いだったのでしょうか。
話題の中で、「子を捨てた」と言う人物には、ガンジーしかり、西行しかり、そして、我々の流れをくむ、幕末明治の臨済宗・今北洪川禅師も子を捨てているとの話もだされました。

世間的に言えは、ひどい親と言う事になるのでしょうが、どうも人(子)の親でない私にとっては、良く分からないとしか言いようがないのが本音であります。
しかし徹底的に、自分勝手でないと偉業はとうてい達成できないもののようであり、自分をも捨ててかかるというそれは、まさに世間一般的なことなど、言ってられないと言うのが、真理なのではないでしょうか。
 
3.お点前

 読書会の次は、お茶の時間です。
 さて本日の「お茶菓子」は、開花宣言待ち遠しい、桜の「さくら餅」です。
 前回もご案内してありますが、さくら餅には、関東風と関西風があることをご紹介しました。
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 今回は、その違いも含め知って頂くために、両方をご用意いたしました。
 私流には、やはり餅が好きなものですから、どちらかと言うと、関西風となるのでしょうか。
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 そして本日用意した「茶掛け」は「夢」です。

 実は、明日の316日は、この会の創設時の会員でもあるO氏の11年目の命日にあたります。
 私は、近年、彼の墓前に、自宅のある西小中台から平和公園までを走ることにしてます。今年は、13日(水)午後1時に自宅をスタートし、千葉市街を通り、一路東金街道を進みます。しかし所々で、歩道がなくなり、大型車両にはひやりとさせられます。約2時間掛けて、いつもの「房の駅(道の駅の一つ)」にて一息をつき、そこでお花を買うことにしています。11年前のあの日は、ちょうど野呂の彼の自宅の庭に咲いていた壱輪の黄色い水仙を摘んで、彼の枕元に置いたのを思い出します。
 買った花束を腰に巻き付け、走ること、約30分、平和公園・G-3の墓前につきました。時計は午後4時を指していた。自宅から走る事、丁度3時間が経っていました。
 水を汲み、お花を生け、「今年もやって来たぞ。」と声を掛ける。

 そして今年は、もう一言彼に付け加える言葉がありました。
「祖元(O氏の道号)よ。お前、よく言ってたよな。あの『よだれかけ』をもらったよ。」と、「よだれかけ」とは、今度、頂くこととなった「火大級の黒絡子」の事であるが、それを今度の4月摂心会で絡子授与式として執り行われることになったのである。ありがたいことである。

 帰りは、千葉駅にゴールし、約5時間の墓参ランを終えました。 
 そんなわけで本日の茶がけは、彼を偲んでの「夢」としてわけであります。この茶がけは、大徳寺の黄梅院の太玄老師墨跡のものです。
次に、今日の茶花をご紹介しましょう。


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 スイセン、椿は良くご存じのお花かと思われますが、春の低木の花木でじんちょうげ科の「みつまた」をご紹介たします。この花は、葉がでないうちに花が咲き、花は、うつむくように下を向い咲く花で、黄色い花です。特に珍しいのが、枝が3つに分枝し、これが「ミツマタ(三叉)」の名前の由来となっているとの事です。他に、赤い花をつける「ベニバナミツマタ」があります。

 
4.おわりに

 本日は、いつもより少し多い、11名の参加者でした。
 来週は、第4週で恒例であります太田先生のワークショップがあります。
 そして、3月は、5週ありますので、第5週は総会となりますので、会員の皆様のご出席をお願い致します。
 総会は、平成30年度の事業報告と決算報告、そして来年は新元号となりますが、事業計画・活動方針などについて話し合われます。
 来週のワークショップと再来週の総会へのご出席、お楽しみにご参集ください。
お待ち申しております。                   
以上