円覚寺の管長日記・呼吸瞑想ラジオは日々更新されております。
通勤途中に聞いたり,ブログで読み返したりとしておりますが数日前の「精進,無理のない精進」にははっとさせられました。
その中で紹介された逸話は次のようなものです。
江戸時代の話で剣術家小野忠明のところに一人の弟子入り志願者が来た。
「私が本気で修行すればどれくらいで奥義がきわめられますか」と問いますと小野忠明は、「貴殿の腕前なら五年でいいだろう」と答えました。
更に「では寝食を忘れてやればどれくらいかかりますか」と問うと「それなら十年かかる」と答えられました。
「では命がけでやったらどうですか」と問うと「命がけでやると、一生かかっても奥義に達することはできぬ」と答えたという話です。
普通の考えでは寝食を忘れ,命がけでやるほど早く奥義を極められそうに思いますが逆説的なお話ですね。
もちろん人を見て法を説くと言う観点から志願者の性格を見抜いた上での剣術の達人ならでは鑑識眼で万人に当てはまるわけではないのかもしれません。
でも社会人のための禅修行という観点では,無理せずに継続できる「無理のない精進」ということはもっと重要視されていいように思いました,
ぜひ皆さんもお聞きくださってご感想などお寄せください。(Ym)