禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

禅と茶の集い」だより(31)  “身心脱落”=“Let It Go”

今日も、ところによっては雷雨という予報がありましたが、午後6時ごろはさいわい雨が降っていませんでした。そのかわり、会場を後にする頃には大粒の雨が降り始めました。

今日(2014年7月18日)は第3週。会が始まるころ、禅体験セミナーに参加してくれたKさんが3週間ぶりに顔を見せてくれました。先週に続いてリピーターです。女性の方だったので、特に大石さんが喜んでいました。

読書会は、齋藤孝著の「こんなに面白かったニッポンの伝統芸能」の続きです。
テーマは「禅」。齋藤さんの坐禅感がどのようなものか興味が湧きます。
禅でストレスに勝つ心身をという章に興味をそそられる表現があったので紹介します。

日常的に煩わしいことは多いが、壁に向かって坐るだけで、周囲がすべて消え去って自分と宇宙の関係が生まれる。
悩ましい問題も、人からどう見られるかも関係がなくなる。感じるのは、広がる空気と、垂直軸を通して地球の中心に引っ張られていく身体と、それとともに放たれる心である。
これを「身心脱落」という。英語に超意訳すれば“Let It Go”といったところだろうか。

この“Let It Go”って最近よく耳にしませんか、大ヒットしている映画「アナと雪の女王の」テーマ曲の中に何回も出てきますよね。
齋藤孝さんが本を書いたのは、2011年なのでこの歌を意識しているはずはないのですが。
なるほどこんな意訳をしたのですね。

“Let It Go”は、「あり~の~まま~の 自分になる~の」というように日本語の歌詞になっていますが、“Let It Go”を「しんじ~ん だつら~く」と歌っては、ほとんどの人が意味不明になると思います。
でも、「ありのままの自分になるの」というのも簡単に歌っていますが、これは容易なことではないです。
何が本当のありのままか分からないで生きているのがほとんどでしょう。
答えは自分で見つけるしかないですね。坐禅はその一つの手段としてお勧めです。

今日のお茶のお手前は高貫さん。
お茶のおかしは、舟和の「いもようかん」と「あん玉」でした。

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掛け軸は、前回と同じく、両忘庵釈宗活老師の書。やっと読めた「雪消山骨露 池成月自来」でした。

 
今日のお茶は少し濃い目で大変おいしいとの声が各人から上がりました。
「高貫さん、一気に腕を上げましたねえ」
というと、「今日のお茶は、一保堂の『幾世の昔』というお茶で、開封したばかりなんですよ」という答えが。
いやいや稽古の成果が現れてきたということにしましょう。

この後は、いつものとおり、1炷香(45分)坐り(*)ました。

読書会で次に輪読する本「ネルケ無法の 日本人に宗教は要らない」をまとめて購入しますので希望者はご一報ください。
大変面白い本です。

来週は午後7時から一炷香坐った後は、禅のワークショップです。

どうぞおいでください。
お待ちしています。
 
義存 合掌