禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

ユネスコ憲章 「禅と茶の集い」だより(96)

今日(2015年12月25日)は今年最後の例会です。

今年は、体験教室も含めると20人ほどの方が会を訪ねてこられました。その中には、熱心に坐禅を続けている方も2,3人います。まことに力強い限りで、こちらも励まされます。
 
今日は、7時から坐禅(静坐・座禅)をして、7時45分からは、太田先生による坐禅のワークショップでした。
ワーショップには先生自作のテキストがあります。
さすが精神科医といっては失礼かもしれませんが、脳の断面図や体のつぼを示した図もあり、内容はちょっと難しいところもありますが、なかなか面白いです。
太田先生はその中でユネスコ憲章の前文を引用しています。
 
 戦争は、人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。
 
まことにそのとおりだと思います。
今の世界の状況を見るにつけ、誰もが安心して暮らせる平和な社会を求めるのはすべての人の願いだと思います。
そのためには、それぞれの人の心の中に平安があること必要です。ユネスコ憲章が、仏教の唯心論を意識しているかどうかは別にしても、これが基盤にならなければいけません。
差別や偏見は憎しみの心を招きます。
そのためには、相手のことも学ばなければならないでしょう。
すべての宗教の根底にあるものに気づいていけば、教義や主義主張の違いによって争うこともなくなるだろうと思います。
新聞では、ローマ法王のクリスマスメッセージが紹介されていました。
 
 国際社会が気持ちを一つにして、残虐行為を終結に導くように。移民や難民らが尊厳ある将来を築くため、支援し、受け入れている個人や国に神の恩恵がありますように。
 
仏教の、四弘誓願の一番初めは「衆生無辺誓願度」です。
衆生(この世に生を受けているありとあらゆるもの)は数限りなくいるがすべてのものを救おうという願いです。
 
来年がすべての命にとって平安でよい年になることを願わずにはいられません。
 
来年は、2016年1月8日から始まります。
2016年1月15日は、初釜で濃茶を味わうことができますので、ぜひご参加ください。
 
それでは皆さん、良いお年をお迎えください。
 
義存 合掌