禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

釈迦の涅槃会「禅と茶の集い」便り(229)

 平成31年2月15日
記録者・栗田和夫
1.はじめに

 今年に入り、早いものです、2回目のお点前となりました。
 いつもの通り、「千葉の親子三代夏祭り小委員会」が午後3時半からあり、こちらも第2回目の会議で、午後5時に終わり、お茶の準備に取りかかった次第であります。
 さてさて、実は今日、215日は、釈迦の涅槃会(ねはんえ)の日にあたるということです。
ブッダが亡くなった日であります。ちなみに、釈迦の誕生日は、4月8日で、花まつりで甘茶をそそいでお祝をします。灌仏会(かんぶつえ)といいます。そしてご存じ、悟りを開いた日が、12月8日暁の明星を見て大悟徹底された日、成道会(じょうどうえ)とされております。
しかし、涅槃会は、私は、知らなかったので、今日、この日ということを教えてもらいました。
 
2.読書の時間

 前回に引き続いて「ブッダは、なぜ子を捨てたか」の輪読を行いました。
 今回のキーワードは、「家出」、「出家」というテーマから、ブッダについての神格化についての話題が主となりました。
 まず、子に悪魔を意味する「ラ―フラ」という名を付け、妻子を捨てて家を出たということから始まりますが、そもそも、釈迦の誕生は、母親の脇の下から生まれたということ、釈迦の子は、妻の子宮内に6ヶ月とどまっていたと言う伝聞などは、イエス・キリストの処女受胎と同じく、後世の人達によって世俗的なものを排除したということのようです。また、釈迦は、生まれたばかりの頃、七歩歩いて、右手を天に、左手で地を指し、「天上天下唯我独尊」と言ったと告げられております。これらは、いわゆる神格化することによって、はじめて仏陀と無し得たと言う事ではなかろうかと思われるのですが、私にとっては、そんなことはどうでもいいことで、「今・ここ」を原点に坐る事だと思っておりますが。
 
3.お点前

 読書会の次は、お茶の時間です。
 今日は、どういうわけか、茶こし器に漏斗が入っていませんでした。そんなことで、棗にお茶を入れるのに、時間がかかり、少しバタバタしてしまいました。
 さて私の用意するのは、「お茶」と「お菓子」ですが、その中でもお菓子は、楽しみなものの一つです。今日は、時期的には、まだまだ早い気もするのですが、2種類のお菓子を用意しました。春待ち遠しい初音の「うぐいす餅」と「さくら餅」です。
 うぐいす餅は、餡を求肥でつつみ、うぐいす粉、これは青大豆からできたきな粉で仕上げたものです。最近では、よもぎを混ぜた生地で包んだものもあるようです。
 
 
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さくら餅は、どうも良くは知りませんでしたが、二種類あって、関東風と関西風があるようです。関東風とは、こむぎこを薄く焼いて餡子を包んだもの。関西風は、お餅に餡子を詰めたものだそうです。
 知ってましたか?
ちなみに、今回用意したものは、関東風のものでした。
 
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それから、茶花ですが、今日は、見事なできばえといえましょう。
盛りだくさんで待ち遠しい、春爛漫の雰囲気がでています。

お花の種類はといいますと、寒い時期ではありますが、今まさに咲き始めのころとなりましょうか、白梅と紅梅の2種です。
そして赤い椿が次いでわきを添えます。
またスイセンが凛として、香りつつましく、黄色い色彩りを添えています。
いつものOさんの、茶花でこれも楽しみの一つです。
ところで、いつもの事ですが、こうして飾られた茶花は、私が譲り受け、私の殺風景な台所を楽しませてくれているのです。これもまた、有難いことです。

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さてさて、今日のお客さんは、私も40年、禅と茶の集いに参加しておりますが、初めてのお客さんになるのといえるではないでしょうか。
女子高校生で高校2年生だそうです。先月、30年ぶりにお逢いした、I氏の娘さんとのことでした。

お父さんの背中を見て、興味をもたれたのでしょうか。
今日の、お茶とお菓子、美味しくいただけたかどうか心配ですが。
しかし思うのですが、若い人はいいでね、まだ先がある、私らも通り過ぎた世代でしょうが、なかなかその時は気が付かないものです。
彼女には、今日のこの日を大切にしていただけたらとの思いで一服点ててさしあげました。
そして最後に、「これを機会に、また来てくださいね!」と、一言、申し添えましたが、余計な一言でしたでしょうか。
 
4.おわりに

 本日は、総勢9名の参加者でした。
 最後の静坐もしっかり坐って、彼女は、挨拶をして帰られました。
 今日は、楽しいお点前と静坐だったな、春はもうすぐそこに来てます。
 来週は、第4週です、恒例である太田先生のワークショップがあります。
 楽しみにご参集ください。お待ち申しております。                   
以上