禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

円覚寺夏期講座+坐禅講習会

今年も円覚寺夏期講習会の季節となりました。

昨年は一人で参加したのですが、今年は禅茶会員のOuさんと二人で参加です。

私は2年前の5月、円覚寺の合宿坐禅会に参加してからちょうど10回目となる参詣でしたが、Ouさんは初めてという事でガイドし甲斐がありました。

いつものよう総武横須賀直通快速に乗って北鎌倉駅に直行です。
事前に夏期講座聴講券を送付いただいてますので、それを見せて入り口を通過、初めてのOuさんには申し訳ありませんが会場の大方丈に急ぎ足で直行し、講師の先生方の顔が直接見られる本会場後列に陣取りました。(夏期講座は希望者多数につきTV中継のサテライト会場が用意されております)

開会の辞の後、横田老師の無門関提唱より始まります。
今年の提唱は第37則「庭前の柏樹子」です。
提唱と雖も、夏期講座は一般向けにユーモアを交えての老師のご説明に引き込まれます。
この「庭前の柏樹子」は公案第一則にも選ばれるほどに有名な禅問答の一つでありますが坂村真民先生の詩の大木に学べを引用しながらとてもわかりやすい喩で我々をご引率していただけました。

難しいことを難しく説明するのは、ある意味で簡単なんでしょうが「難しいこと」を簡単に解くところに私は横田老師の慈悲をいつも感じております。
井上ひさし氏の言葉に「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、ふかいことをおもしろく」という言葉が自然に思い浮かびました。

第二講は現代俳壇の第一人者長谷川櫂先生による俳人的死に方です。
芭蕉や子規の句の説明を通して生死を離れた視点のご高説でした。

第三講はマインドフルネスの第一人者、早稲田大学の熊野教授のストレスに負けない生活というお話でした。
TV番組では何度もお見かけしたのですが、なま熊野先生にお会いでき、飾らぬお人柄、わかりやすい説明に本当に庶民の心うちをおわかりの先生なんだなぁと改めて感服しました。

毎年、素晴らしい講師を迎えて戦前より続いている円覚寺夏期講座ではありますが今年の初日は格別と思いました。

さてその素晴らしい夏期講座ですが難点が一つあるとすれば、12時過ぎのほぼ午前中で終わってしまう事です。
しかし土曜は、居士林での初心者向け、経験者向け坐禅講習会があるんですね。

数年後に建て替えが決まっている円覚寺居士林。
そこを会場に内田和尚さまの講習会が聞けるんです。
何回も参加してますがその度に変化、進化しておりご本人いわく原点回帰ということで丹田呼吸について力点を置いたお話がなされました。
また「マインドフルネスは対処療法、即効性は高いが根治療法にはなりづらい」というお話もありとても納得しました。

経験者の部にも参加し、読経もしっかりと行い気持ちがさっぱりとしたところで東慶寺に向かいます。
紫陽花の花がそこここに咲き乱れる中、Ouさんを釈宗演老師のお墓にご案内し何度目かの墓参をさせていただきました。
東慶寺には鈴木大拙先生、和辻哲郎先生のお墓もあります)

当日、イワガラミが特別公開中でした。
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最後のコンビニ探しが今回のツアーの中でもっとも苦労したことです。
昨年までの店舗が閉鎖となり、北鎌倉駅の大船よりに移転?されておりました。
Ouさんと缶ビールなど買込み、千葉までの1時間半余り円覚寺談義に花咲かせながら帰路に着いたという次第です。

いつもながらの円覚寺報告、興奮冷めやらぬ間に書いてますので失礼、誤謬などお許しください(Y)