禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

横田管長による初心者向けの坐禅講習

一昨日に告知したように円覚寺横田管長によるオンライン坐禅講習会が今朝方30分余り開催されました。

主に初心者向けに指導されていたように思いますが,たった30分足らずでこれだけのことが伝えられるのだな~っとあらためて感動しました。

 

非常に残念なことにライブ放送だけということで,現在は「この動画は再生できません」という表示となってしまうため,ちょっとだけでも皆さんにシュアできればと興奮冷めやらぬ頭で書き起こし始めております。

 

まず調身ですが,脚の組み方は拘らないとのお言葉でした。

尻あてになにかクッションをお勧めするくらいでした。

それと法界定印については,いきなり行うと胸がすぼまり手にばかり気持ちが向きやすいとの弊害を指摘されており,法界定印を組む前に十分胸を開き,腰骨を立てるよう1分ほどの体操を披露いただきました。

以前,細川晋輔和尚さまも調身のためにぐーっと手を上に挙げて,カラダを縦に伸ばしてから肩手を脱力し,手印を組むとのご指導をされていましたが,それの進化系ともいうべきものでした。

 

具体的には両手を前に突き出し,手のひらを上にむけそのまま上体を倒して手をさらに伸ばします。

普段はPCなどでどうしても手の平は下向き(前腕回内位)肩は内側にすぼまり(肩関節内旋位)になりがちなので,これだけでもいろんなところが伸びます。

 

そこから両手を頭上まで上げて,顔も天井を見るよう伸ばします。

次に両手を横から水平位まで下ろしてき,そのまま肘を曲げて両脇を閉めます。図1

f:id:nflight2014:20200517101548p:plain図1

 

そこから右手を肘を曲げたまま小指を下腹部に当てるように回し(右肩内旋),続いて左手も同じように小指を下腹部に当てるようにそっと右手の上に乗せ,それから親指同士を軽く合わせるという方法です。

横田管長さまは体操と言って居られましたが,何やら手動瞑想のような気も致しました。

 

次に調息ですが,まずは自然に呼吸して「吸っている」「吐いている」を気持を集中させる。

続いてその自然呼吸にちょっとだけ助力して,「吐き切る前に,そっと息を押し出す」あたかも坂道を行く老人の腰に手を当てて軽く押してあげるような気持で,自分の息も呼気の最後に押し出すことを練習しました。

この押し出す感覚はやはり細川和尚さまも言われていました。

 

そして最後に調心

まずは呼吸一息ごとに出入りする「空気」をイメージするよう指示がありました。

世界中を満たし,我々を支えはぐくんでくれている「空気」が鼻,喉,気管,肺,そして下腹部まで入り込むイメージを持ち,また逆に肚の底から空気を送り出しているイメージを持ちながら呼吸していく。

 

そして最後は自分のカラダの外にある空気も,中にある空気も同じだなぁ,できることなら自分の身体という仕切りを取っ払い世界の空気を一体になるようイメージを広げてみてくださいとのご指導でした。

 

わずか30分足らずで,なにやら凄いワークショップを受けたように感動しております。

私の記憶からの再生なので,かなり間違った箇所など混在しているとは思いますがその点はご容赦ください。

しかし返す返すもこの動画が非公開になるのは勿体ないですね。(Ym)