禅と茶の集い

みをただし いきをととのえ すわるとき そのみ そのまま みな ほとけなり

渡哲也さんの訃報に際し・・・浮浪雲の思い出

昭和の名優がまたお亡くなりになりました。

リアルタイムで「西部警察」など見ていた世代なので思いも一塩ですが,渡さんと言うと私にとっては何と言っても「浮浪雲」ですね。

 

f:id:nflight2014:20200815193420j:plain



生放送だけでなく,DVDレンタルショップでも借りて見ておりましたが,あの寡黙でしぶーい二枚目の渡さんが女好きの三枚目の「浮浪」役をとても楽しそうに演じていらっしゃたのが印象的でした。(ほんとの渡さんは大門さんより浮浪さんにちかいかも?)

奥さんのカメ女役は桃井かおりさん,桃井さんの魅力がふんだんに出ている名演ですし,何といっても渋沢老人役の笠智衆さん,まさにドンピシャなキャスティングだと今でも思います。

f:id:nflight2014:20200815142909j:plain


そして何を隠そう私Ymがはじめて「禅」に出遭ったのも高校生のころ読んだコミック版の「浮浪雲」でした。

 

そのマンガの中で思春期を迎えた悩み多き新之助浮浪雲の息子)に感情移入し,長年禅修行された渋沢老人が,世間の価値とは一味も二味も違う助言を新之助にしながら人間的に成長するのもこのドラマでは重要な柱だったように思います。

 

渡哲也さんの追悼も込め,渋沢老人の名言をご紹介させていただきます。(Ym)

「浮浪殿を文字に例えれば‥‥

 楷書を熟知の上 草書で生きる。

 ほほほ  いかがですかな。」

 

「この世に病気なんてないんですよ。

神様がいますから。 この空の雲の上にどんどん行くとなーんにもないでしょう。

何にもない、空気もない真空、そこに大生命があるんです。

その宇宙の大生命こそが、神というわけです。

 

その証拠にねぇ。地球というものが生まれたんですねぇ。

なんの物質もない真空状態の中にどうして地球みたいな物質が生まれたんでしょう。

それこそが、人間では計り知ることのできない大生命です。

空も、風も雨も。この木もそうです。草も花も水も。 そして、わたしもそして、お花ちゃんも大生命、、、神なんです。

みーんなひっくるめてひとつなんです。

例えば、水の中で生まれて水の中で死んでいくお魚は、水の塊でしょう。水は宇宙の大生命。人間は神の塊。

死んだら?死んでも、相変わらず生命は生命ですよ。

肉体が滅びるだけですからね。不生不滅。

それと、神様は絶対に正しいんです。

太陽があって、月があって、地球があって、キチンと並べてある。

神は絶対の法則なんです。 すべてのものを秩序良く並べてある。

この秩序を乱したら、もう駄目。誰も何も存在できません。

ですから、神様は人間の体も秩序よく並べているわけです。

胃や腸や心の臓や脳みそや血管ですね。

目や口や鼻や耳と、上手に並べられているでしょう。

人間の体も、宇宙の星と同じです。

 

この秩序が乱れた時、人間は、病気になります。

いつも心、邪なことを考えていたり、心に深い悩みがあったりしたら、この秩序が乱れて病気になります。

秩序を正しくしてやれば、病気は治るはずです。

もともと、神様は病気なんて造った覚えがないんですから、神の塊である人間が病気になるわけがないんです。

でも、なってしまう。 その時、病気を治そう治そうと思うからいけないんです。

治そうと思うのは、病気を認めてしまう事ですからね。

病気なんかない。

神様の法則に病気なんかないと思うことですね。

人間に病気なんかあるわけがない。

そう、心で思い続けることですね。 正しい秩序を思えば、病気は消えてなくなります。」

 ※上記の「お花ちゃん」は新之助の妹さんです。

改めて名優 渡哲也さんのご冥福をお祈りいたします。(-人-) 合掌