外出自粛の中,自宅で坐禅する機会が増え自分なりに坐禅方法を工夫しています。
私は職業柄(Ymは病院のリハビリに従事してます),坐禅の姿勢が一番気になるのですが,体の固い人向けに自分でも実践してみて,お勧めをいくつかご紹介したいと思います。
こうした工夫を思いつくきっかけですが,以前に通っていたスポーツジムのヨガ教室での指導にヒントを得ました。
ヨガでは体の固い人や初心者向けにヨガブロック(四角くて軽いブロック)や,ヨガストラップなどお助けグッズを用いることがよくあります。
体が固いとポーズをとっても安定せず,力んだままで肝心なストレッチができず,疲れるばかりでヨガの良さが実感できないとか,体を痛めてしまうということにもなりかねません。
お助けグッズで足りない高さや長さを補って難易度を下げ,安定したポーズが体の固い人でも取れるようにするという仕掛けです。
そこで坐禅の場合はと振り返って見ますと坐禅用のお助けグッズの代表格である坐布(尻あて)はほぼ使われておりますが,それ以外はあまり紹介されていません。
ともすれば「体が痛いのは修行が足りない」といった精神論まで飛び出す始末です。
しかし初心者向けの講習会していて感じますが,椅子やベッドに慣れた現代人は畳の上での生活や座布団に坐る機会が激減してます。
初めから結跏趺坐を組める方は少ないし,半跏趺坐でも上になった足の膝がなかなか座布団に着かないという方たくさんいらっしゃいます。
もちろん坐禅を続けるうちに徐々に股関節や脚関節が柔らかくなりますが,「足がしびれる」「膝が痛い」という理由で折角,興味を持った坐禅を断念する方も多いように思います。
現代人の坐禅としては導入に,何かヨガブロックのように活用できるお助けグッズがあるのではないかと考えてみました。なにを今更とお思いのベテラン坐禅者の方もいらっしゃるとは思いますが案外,ネットで調べてもこうした情報は見当たらないのが現状のようですのではなはだ僭越ではありますがご紹介してみたいと思います。
と,かなり大上段の振り被った前書きとなりましたが具体的なグッズはごくごく平凡です。
まずはタオルですが,これを上記の浮いた片膝の下に敷きます。
たったこれだけでぐっと安定感が増します。 もちろん薄手のクッションも良いのですが,タオルだと折りたたみ方で厚さが変えられるので,誰でも適応できます。
次に大判のバスタオルです。
どこに使用するかと言うと,これは下半身をぐるっと覆ってしまいます。
これを思いついたのは12月の円覚寺の合宿坐禅会だったのですが,暖房のない居士林ということで寒さ対策に腰巻ブランケットを購入して挑みました。
もちろん寒さ対策としても有効だったのですが,それ以上に感じたのが下半身の一体感!
ほんと体の土台ができたように感じたのです。
冬はこうしたブランケットもいいでしょうが,通年用としては大判のバスタオルが快適です。私は今でも自宅で長めに坐るときはこの大判バスタオル使っており,使わない時より深い坐禅に繋がると思っております。
よく坐禅指導の際に,「服装は体を締め付けないゆったりした物を」という勧め方をされますが,却って伸縮性のない袴や着物などを着用することで坐骨と両膝頭の三角形がかちっと作れて坐相がよくなると思います。
現代では着物や袴に着替えて坐禅となるとなかなか敷居が高いでしょうが,バスタオルやブランケットで覆うだけなら簡単に試せますし,効果もあると思います。
下半身ばかりですが,上半身用に何かないかと考えてみました。
坐禅開始当初は法界定印がなかなか慣れないというか手の置き場に困ると言った声をよく耳にします。
坐禅に慣れず半跏趺坐や,坐布を高めにしている方,手足が短めの方の場合どうしても手を足の上に置くことができず,リラックスした上半身が作りづらいのです。
その時は,ミニクッションや,スポーツタオルを幾重かに折りたたんだものを足の上に置きその上に法界定印を組んだ両手を載せると,あら不思議!両肩の力がずぅーっと抜けて自然な坐禅姿勢となります。
この頃,坐禅の姿勢(坐相)が今一つだなとお感じの貴兄
ぜひお試しくださいませ。(Ym)